2016年03月10日

3月はバッハで始まる・2

 さて、3月5日(土)17時。浜離宮朝日ホールにチェリスト・長谷川陽子さんの「バッハへの旅」を聴きに行ってまいりました。
 とてもとても満員のお客様。・・・彼女のお客さんの特徴でもあるのですが、好事家から普通の方から専門家から一般のお客様まで、幅が広い。会場の雰囲気も期待に満ちていて、個人的な事情(慣れない路線で用事先から来たために乗り換えを間違えた!)でアタフタしていたにもかかわらず、ほっこりした気持ちになれました。

 さて第1番から順番に演奏していく、、、というのは記事にも書きましたように、たいへんな気力労力が必要です。でも逆にいえば、チェリストの方々にとって「J・S・バッハの無伴奏組曲第1番」というのは、もはや「体に入っている音楽」であることが当然の曲。“聴くだけ”の私ですら、暗譜しちゃってくるくらいですから(鼻歌うたえる程度には・笑)。
 ということで第1番「プレリュード」から始まりました演奏会。すぐに入り込んでいく集中力で、自然に“長谷川陽子のバッハの世界”へ(^_^) いやぁこのプレリュードは楽しかった。本当に呼吸するように弾かれるので、プロってすごいなぁと思います。それに、あまりにもいろんな方の《プレリュード》聴いてますから。ほとんどの音楽関係者はそうだと思うけれど、これだけのシンプルな曲の中に、どれだけ“その人”が出るのかと思うと、オソロシイ気もしますよね。
 そして緩急、第1番が進んでいき、なかなか聴く機会の個人的には少ない第2番、そして休憩。
 2曲ずつ2回の休憩。全曲演奏会の時はわりとこれが普通の感じです。そして第3番。これまたメジャーな曲。意外に男らしい(?)出だしで一気に行きます。そりゃ素敵でしたが、次の第4番がその日の演奏会の中で個人的には最も印象深かった。他の曲に比べ、演奏機会が少なかったので、この1年、敢えて弾くようにしている、と仰っていた曲でもあるのですが、そんなそぶりはまったく聞こえない。緻密に作り上げてきた現在と、慣れて身体に入ってきて、のせめぎあう時期といいますか、ものすごい集中力とリラックスで、「あぁいい曲だなぁ」としみじみと感じさせてくれたのでした。
 それにこの頃から、楽器の鳴りが変わってきました。これは後ろに行くほど、そうで、いろいろな音や弦の、様々な表情を本当に細かく考えておられるんだろうなと思い、だけどそれがごく自然に、ゆったりと出てくるところがやっぱりベテランの味だなと思い。。。若い人だとこうはいかない。素晴らしくエッジの立った演奏というのもあるのですが、なんだかじんわりしてきたのでした。

 休憩時間に聴きに来てた新倉瞳さん発見! 一緒にお茶していろいろ話しました。翌週(3/11)は東京チェロアンサンブルでしたよね。陽子さんのことをとても尊敬していることが伝わってきて、瞳さんのバッハも聴きたいなぁなんて話したところです。

 さて最終ラウンド。
 通常のチェロ1本で演奏する、というので響きの作り方にたくさん工夫をされたんだろうなと思いながらも、いやもう長谷川さんのすごいところって、内心はどう思ってらっしゃるにしても余裕たっぷりに見えるところ。音楽もけっして緊張して聴かせるようなものではなく、なんだか楽しくなるバッハ。弾いてる方が命削って弾いてらっしゃるのでしょうけど、どうしてなんでしょうね。・・・私、音楽の本質ってそんなことなんじゃないかと感じています。
 5番も6番も、なんだか尻上がりに素晴らしくて、終わった時にはなんだか体調も回復していたような。不思議な感じの演奏会でした。

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 楽屋をお訪ねしてチェロと共に。少しお疲れモード(当たり前)でしょうか。素敵な演奏会でした。

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 興奮気味の新倉瞳さんと、長谷川さん。このあとはサイン会でした。

 良い1日でした♪
posted by rain2009 at 20:18| Comment(0) | concert | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月06日

3月はバッハで始まる・1

 2月から、ともかく演奏会が多いです。
 昨年は、海外に出ることが多かったし、例年3月の後半は、ドイツのムジークメッセモあり、確定申告を終えると国外脱出、というケースが多かったのですが、今年は「編集部の海外出張は無し」の方針もあり(編集部じゃないヒトは行きます)、おとなしくしてます。
 では、来日公演や在京の演奏家の方々の演奏会を積極的にフォローしていこう、となるとこれがまたすごい数。

 自分が聴きたい演奏家の方。聴きたい曲の演奏会。付き合いのある演奏家やアマチュア仲間の公演。今、聴いておいた方がいいなと思う演奏家の演奏会。絶対聴き逃せない演奏会、、、それらが同時に2つも3つも同じ日に行われる。特に最近の傾向としては、(不況・・・というより文化にお金が使われなくなっているという意味ですねの影響なのか)集客とか考えて、土曜日に演奏会が集中する傾向があり、また、時期としては月末週が多い。これに自分たちのオーケストラの練習が重なってくると大変なことになります。
 体調が悪いけど聴かなきゃいけない、とか。
 聴きたいのに仕事で聴く方優先で行けないとか(涙)。
 自分で買った券を譲ったり破棄することもしばしば。。。嬉しい悲鳴ってとこでしょうか。

 基本的に演奏会に行くのは楽しいです。演奏評は仕事にしていないので、お聴きして、何かの伝わるものが受け取れれれば嬉しいですし、それを自分の中に貯めておいて、なんらかにつながっていくことも多い。そこで出会う方々にも、しばらく経って再会した方々の発展ぶりに目を細めるのも、聴きたくて仕方ない音楽を聴くのも、本当に楽しいです。

 そんな一つが、昨日の札幌交響楽団の東京公演でした。
 「サラサーテ」よりず〜〜っと以前、私が音楽の仕事を始めるか始めないかくらいの2000年代前半。わりあい私は札幌へ札響を聴きに行っていた時期があったのです。もちろん遠いので、さほど頻繁ではないものの、別の取材で(音楽とは無関係)行って、日程を定期に合わせたり、また別の取材だったりで。
 その時、札響さんも2回ほど取材させていただいています。

 東京公演もそののち、何度か聴かせていただいていますが、特にこちらから接触したことはなく、だから昨日は演奏の合間に、楽員名簿を目を皿のようにして眺めてしまいました(笑)。
 お元気でがんばっておられるAさんは15年経っても相変わらずお綺麗ですごいし、若くて才能溢れていたBさんは素晴らしいリーダーとなっておられたし、その後入団されたCさんのトップぶりも素晴らしく、あらら某取材でお目にかかったDさんは札響へ入られたのかぁ、とか。客演でE先生、弾いておられたけどさすがに素晴らしいよなぁとか。

 管楽器の独特の響きや名人芸もこちらのお家芸でしょうが、さすがに弦の札響で。エリシュカさんの手腕も素晴らしかったですが、、、いやいや、記事を書くお約束をしているので、音楽の内容については5月2日発売の「サラサーテ」70号・コンサートレポートをご覧ください。自粛自粛・笑。

 ちっとも表題にたどり着かないのですが、3月の頭はJ・S・バッハ、無伴奏の演奏会に行き当たります。3月5日(土)は、チェロの長谷川陽子さん渾身の全曲演奏会(浜離宮朝日ホール)、8日(火)にシギスヴァルト・クイケンさんのヴァイオリン無伴奏1〜3番(白寿ホール)。こちらは私は行けなくて同僚が行ったのですが。次に13日(日)に東京オペラシティで津留崎直紀さんの無伴奏チェロ組曲全曲演奏会があります。これは特に6番は聴きものでして、五弦チェロで弾かれるそうです。ほかもすべてバロック・チェロで演奏されます。

 ということで、またarticleは改めたいと思います。
 
posted by rain2009 at 16:50| Comment(0) | concert | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年04月25日

最近、ピエタリ・インキネン

 「サラサーテ」6月号の校了も終わりまして、昨日(金曜)は別件があって行けなかった日本フィルの定期に本日昼、行ってきました。
 私はエラいことに(笑)日本フィルの定期会員になっているのですが、金曜会員なのであります。
 今回は、首席指揮者(予定・・・2016年9月から。現在は首席客演指揮者)のインキネンの取材をしたので、ご招待いただけるのですよ、ほっほっほ♪(そうでなくとも仕事上、オーケストラは聴きに行かなければいけないことが多いので、関係者席に入れていただくことも多いです。もちろん、お仕事ですもん)。

 ブラームス:ピアノ協奏曲第1番(<大好き!)
  アンジェラ・ヒューイット plays

 ブルックナー:交響曲第7番(ハース版)

 素晴らしかったですよ! ……校了で体力消耗してるは、今朝、ちょとトラブルがあって午前中のお稽古に行けなかったはでちょいと落ち込み気味、「絶対、寝る!(に違いない)」と思ってましたが、寝ませんでした。
 どうでしょう? ブルックナーの交響曲とか、眠くなりませんか。
 音楽雑誌の編集長がこんなこと言っていてはいかんのですが、私は、時々、弾いていてすら眠い時があります。それは必ずしも、退屈ということではなく、その反対。
 脳内がトランス状態になるというか、心地よくある波動をかもしだし、そっちの世界に行ってしまいそうになるのですねぇ。・・・要するに、ブルックナー、好きなんです(笑)。

 昔・・・といいますか、オーケストラやり始めた頃は、避けてまして。マーラーはリスナーとして大好きだったのですが、ブルックナーは「皆さん、なんでオケ弾きはみんな好きなんやろ?」と超不思議だったんです。うちのだんなさんもブルックナー、どうやら大好きなようで、エキストラの声があると、喜んで参加してますしねぇ。
 ふむふむ。
 でも、今は好きです。

 さて日本フィルに戻ります。
 ヒューイットさんは、生演奏聴いたのっていつ以来? しかし聴いたことあったっけ?な昔ですが、ともかく音の美しい・・・つか印象的な音を出される。きちっと和声とコントロールされた音の方ですね。だから、ペダルが邪魔にならない。こんなブラームスはめった聴けないなぁと感激していたら、「バッハ弾き」と書かれてあって、なーるほど。ピアニストでバッハ弾きというのは凄いことだと思いますはい。

 ブラームスの1番とか見聞きしていると、いろいろ思い出していけません。あぁいうの本気で弾こうとしていた時代があったなーなんて。中でもこの曲は、本番でこそ弾かなかったですが、思い出の曲です。うん。いい友だちもいっぱいいたなぁ、、って涙腺が緩む。なんでやねん。

 ブルックナーは、7番というのは、第一楽章から、ともかくカッコいいですよね!
 お席がLCの真ん中編、という、オーケストラを聴くには、私は物凄く好きな席だったこともあり(オケが近く感じられるのです)、ともかく「ブルックナーらしいブルックナー」(byワタシ比)でした。つまり、音量の幅と音色のイマジネーションとフレージング。
 オーケストラの持つディナミークが本当にレンジが広いのは、日本フィルの美点の一つだと信じているのですが、それが、あの弦の美しさをもってどこまでもクレッシェンドしていくと、なんともはや、音の詩シャワーに包まれて、幸福な気持ちになるのですね。
 それと、インキネンは(ラザレフもですが)、和声感もそうですけど、音色が美しい(ような気がします)。ここのところ聴いたのは、管楽器のトニックで始まる音楽が多いのですが、これがもうふわりと、外国のオケみたいに響いて、そしてそのあとざざっと弦が入ってくる、、、というシーンでゾクゾクするのですよ。こういうの聴いてると、幸せだなーと思いますね。

 インキネンの追っかけてるわけではないのですが、先週の土曜日も、これは自分でチケット買って、横浜定期に行ってきました。
 オール・シベリウス・プロ。
 いやもともとシベリウス好きですし、今年は生誕150周年ですしね。そういうプログラムが死ぬほど多いんですが、本場もんやし(笑)。三浦文彰の協奏曲も目当てだったりし、これはまた別掲どっかでしたいと思いいますが、素晴らしい演奏でしたよ。
 そして、本体は《レミンカイネン》全曲。・・・こんなん、ほかではあんまりやらないと思いますが、お客さん、それにしてもよく入っていました。演奏はもうほんと素晴らしかったですし。

 ということで、インキネンのインタビュー記事が、次号(2015年8月号=7月2日売予定)に載ります。残念ながら私の取材・執筆ではないのですが、気鋭の弊誌記者くんが書きますんで、お楽しみに(^_^)♪
   
posted by rain2009 at 18:01| Comment(0) | concert | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする