2022年10月10日

2022年10月9日(日)ミューザ川崎シンフォニーホール

 「国際音楽祭NIPPON」の苦労した長文の記録が消えてしまい、ダメージからなかなか立ち直れない。ここにこれを書いて、また消えてしまうのだろうか? いったいどうなっているのだろう!? せめて下書きがどこかに残っていればいいが、blogの文章を下書き書いてアップする人はほとんどいないのではないか。少なくとも20年近く、基本的には私はそうしてきた。

■「指先で紡ぐ 踊りの音楽史」
 2022年10月9日(日)13:30〜15:45 ミューザ川崎シンフォニーホール
 阪田知樹ピアノリサイタル

 曲目/J・S・バッハ-阪田知樹編:アダージョ〜トッカータ、アダージョとフーガ BWV564より
  J・S・バッハ-ブゾーニ編:シャコンヌ〜無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番より
  シューマン:蝶々 作品2、シューベルト-リスト編:ウィーンの夜会 S.427&R.252より第6番
  ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
  ガーシュウィン-アール・ワイルド編:7つのヴィルトゥオーゾ練習曲より3曲
  バラキレフ:イスラメイ
 (アンコール)ショパン:マズルカ 作品63-6、アルベニス:タンゴ、R・アーン-阪田知樹編: クロリスに

ともあれメモ的に書いておく(あとでどっかにバックアップしよう。不安だし)。

 この日はあまり調子が良くなく迷ったけれど、ダンナが川崎まで送ってきてくれた。「ここでお昼にしようね」と言っていた途中の牛丼屋がひどくて、席に着く前に出てきてしまったので、昼はバラ。回転ずしスシローは激混みだったので、リンガーハットにしようかと思ったが、ラッキーなことに鳥元に入れたので、そこで親子丼とぶっかけ蕎麦のセット(1,020円)を頼めてけっこう満足♪
 阪田くんのレポばかりしているのはどうかと思うが、今のところ、宮谷理香、阪田知樹、角野隼斗が現在私の3大追っかけピアニスト(とはいえ数が多いわけではない。また他にもいるけどめったに演奏会がないんだもん&弦楽器とオーケストラを仕事にしているので、このあたりまでが限界。弦とアンサンブルの多い人の演奏は数はもっと聴いてますが)なので仕方あるまい。
 この日は、「ともかくバッハとガーシュウィン」を聴きに行った。
 以前、本人がYouTubeに10代の頃のバッハのインベンションだか平均律だかの演奏をアップしていて、あまりの素晴らしさに絶句したことがある。彼の生演奏でバッハは聴いたことがない(プログラムに載せてないという意味でアンコールとかでは聴いたかも?)。
 席に座ってプログラムを開いて、やは、なんと「シャコンヌ」だ! ……実はワタクシ、あまり曲目気にせず行くことが多いです。ざっくり「これ聴こう!」と奏者と曲目で決めて、詳細に見比べたりはしない。いちいちやってられませんので。……そして、バラキレフ発見! いやーイスラメイ聴けるの? わーい😃
 先日、かてぃんのアンコールで「アイ・ガッタ・リズム」がステキだったと書いたら、誰かが「今度、阪田さんも弾くんすよね」みたいな書き込みがあって、それでこの「7つのヴィルトゥオーゾ練習曲」の中に、このパリのアメリカ人が入ってることを知った。う〜ん。別にそれはいいんだけど、ガーシュウィンのピアノ曲は、存在だけで素晴らしい。編曲大王の阪田くんなら、シンフォニックで、かつピアノ的でステキな演奏をしてくれるのではないか、という期待。

 予想通り、物凄く静謐に始まったアダージョ。彼らしい編曲は、けっこう余分な音を足すとかそういうのが案外無い。原曲を活かしつつ、歌を活かしつつ……導入としては良かった。深呼吸できた感じ。
 それにしても、ピアノ1台のリサイタルを大ホールで行うとき、ミューザのようなすり鉢状のホールというのは劇場的だ。オーケストラの時よりもダークに落ちた客席の照明。ぼっかりと中央にピアノ、管楽器の乗るひな壇もそのままに、ひとり歩いてきてピアノの前に座る。1,800の聴衆の意識がそこに向けて静かに波打っている……そういう感じ。

 そして続く「シャコンヌ」は、まぁ聴きものでした。弦楽器=ヴァイオリンの特性を最高にまで活かし、バッハがそのたために作った宇宙を、ピアノの表現力でどこまで生かすのか。ブゾーニ版は音が多すぎ、ごちゃごちゃしすぎている気がして、足して足して足してという風に見えてあまり好きではなかったのを、奏者でここまで変わるのでしょうかね。整理され、響かせるべき音と歌わせるべき音、演奏の引き算、和音の巧みな使い分け、その間を動く「忙しい指 (c) Sakata」の音の透明感。……完璧に構築されて凄いなと。頭の中に浮かぶ譜面は、何人かのベテラン奏者たちが提唱した全部を縮小コピーして一面に並べる見事な変奏曲の構造。川畠成道が解いて見せてくれた複数のラインで形作られる物語。この宇宙的な曲を、よくまぁピアノで表現したことか。
 ひとつには彼は本当にオーケストラも弦楽器も歌も好きで、それをピアノという自らの武器を使ってどのように表現するかを日々楽しんでいるからなのではないかと思う。弦楽器がどのような響きでこの曲を奏でるか、物凄くたくさんのパレットがイメージの中にあるのだろうと思う。でなければ、こんな「シャコンヌ」は聴かせられない。………ここで帰ってもいいぐらい満足した1曲でした。

 あとはもうそれぞれ感想はあるけど、楽しくあっという間の2時間弱だったから、今日は省略。

 やっぱり、「ブラームス室内楽全曲演奏ツィクルス」の記事が消えたショックは半端じゃない。どうしたらいいんだろう😢
posted by rain2009 at 16:40| Comment(0) | concert | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

何故かわからないのですが、消えてる?

2022年3月上旬。きっちり書いたアーティクルが消えてます(もしくは見えない)。
2本が完全に消えています。

謎だし困るなぁ記録なのに。
いや本当に困りますから。


posted by rain2009 at 15:53| Comment(0) | diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月06日

東京・春・音楽祭 2022 at 上野 の2つの演奏会(3月28日/3月29日)

 毎年、桜の季節になると台東区連携「東京・春・音楽祭」というのが行われる。1私企業がスポンサー(もちろんいろいろ協賛してるけど)となっている気合の入った音楽祭で、コロナ禍でも、がんばって外国人招へいしたり、ともかく気合が入っているわけだ。
 演奏のクオリティが高いこと素晴らしく、ここに招かれるのはなかなか光栄だろうと思う。オーケストラから室内楽、ソロなど、上野恩寵公園の中や周辺の公共施設を利用して、文化の融合とでもいうようなのがすばらしい。……そして東京藝術大学が含まれていたり、近くに上野学園音大があってその旧石橋メモリアルホール(現在は経営が変わって「飛行船シアター」)なども使われ、図書館や美術館やら博物館も会場になるとあって、文化の香り高いです。

 コロナまでは例年、夜桜も美しく公園での宴会とか、都響のコンサートとかも、ぜーんぶ一緒になって3月半ばから4月いっぱい楽しめた。現在は宴会禁止になったので、夜桜も歩くだけだけど、それでも見事に咲いた桜の下を通り、素敵な音楽会の帰り道は、心休まるひとときだ。
 大正だっけ明治だっけの頃から、国が育てた文化であり遺産であり。それに多くの文化人や個人や企業がかかわって、素敵な時空間が今につながる。日本にだってクラシック音楽の歴史はもう100年を超えるのだ。
 むかーし東京に出てきたばかりの音大生だったころ、お金がないこともあって日曜日はよくこの公園に来て、博物館や美術館の常設展を見たり、散歩したり、ボートに乗ったりした。実はだらだらと歩くと東京大学にも遠くないので、その間の道沿いに昔からあるお店などを、先生に教えていただいてご飯ごちそうになったりもしたことがあったなぁ、と。思えば(しんどかったけどね)いろんな学生時代の足跡もあったりもする。

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 そして例年、弦楽器の含んだ公演にいくつかご招待をいただくので、楽しみに行っている。
 今年はムーティのモーツァルト・オーケストラに体調不良で行けず涙を呑んだが、あとの公演はすべて堪能した。素晴らしいクオリティの4公演、まぁシゴトで書くと思うので、たぶん書かない公演を、あとでレポートしようかなと思います。

 ●2022年3月28日(月)19:00 新倉瞳(Vc)斎藤秀雄メモリアル基金賞 受賞記念コンサート

 ●2022年3月29日(火)19:00 トリオ・アコード(白井圭(Vn)、門脇大樹(Vc)、津田裕也(Pf))

いずれも場所は「飛行船シアター」です。

ではまた後程。
posted by rain2009 at 17:17| Comment(0) | diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月05日

2022年4月3日(日)18:30 ミューザ川崎/上野通明(Vc)&阪田知樹(Pf)コンサート

 上野通明がジュネーヴ国際コンクールというチェロ界では大きなコンクールで日本人初という優勝の快挙を引っ提げ、昨年終わり頃から凱旋コンサートのようにいろいろ演奏会があり、聴く機会が増えています。
 もともと〈エール弦楽四重奏団〉という桐朋系の仲間たちで、ソロでもSQでもがんばっている、という面白い人たちで、最初の頃からずっと応援していました。現在、4人ともそれぞれコンクールで成果を上げたりコンサートで実績を積んだりしつつ、外国に留学中(とはいえコロナで日本にいるけど最近は)。その中での快挙だったので、いやまぁおねーさんは嬉しい★ というわけ。

 さて最近、追っかけと化している対象のおひとり、がピアニストの阪田知樹くん。
この人との邂逅は、別のアーティクルで書いたかなと思うので(うちのオーケストラでソリストしてくれて共演した、という超ラッキー)割愛。で、ともかく聴けば聴くだけすごいです。新しい面が見れる……てどんだけ持ってるんだよ。

 いやはや。ともあれ日曜日の感想文を、某SNSに上げたのですが、ここはクローズドで会員しか見られないので、一部転送します。

■上野通明 チェロ・リサイタル ピアノ 阪田知樹
 2022年4月3日(日) 18:30 ミューザ川崎シンフォニーホール

 物凄いコンサートでした。今、まさに旬の2人によるテクニックとかぶっ飛んでる演奏会です。
 同世代の2人、ご本人たちも仰ってましたが、「室内楽ではずいぶん昔から共演してきているのに、ガチでデュオって初めて」だそうで、これまた意外ですが確かにね。その意味でも2人の特別な個性がぶつかり、融合してまた新しい光を見せてくれたり、の時間だった。
 まずは選曲が凄い!
 阪田くんは、尊敬すべき”オタク"なので(<本業なので勉強家、とも言い換えられる)、プログラミングにもものすごく凝るヒトですが、今回はリストの《悲しみのゴンドラ》以外はすべて上野くんのプログラミングなんだそう。
 J・S・バッハ:ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ第2番
 ヒンデミット:無伴奏チェロ・ソナタ 作品25-3
 リスト:《悲しみのゴンドラ》
 シューベルト:ロンド h-moll(チェロ版)
  = pause =
 武満徹:オリオン
 ブリテン:チェロ・ソナタ第2番 C-dur
  = talk =
 アンコール/ブリッジ:春の歌

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 18:30に始まり終演は21:00過ぎてました。阪田くんのコンサートはいつも長いですが、今回も、わはは。う〜ん、キミはしゃべりでも食えるよ(笑)・全体に派手にパフォームするよりも内面的に追及していくような、それでいて宇宙的な広がりがあるような、そんな曲が多かったこの日。透明感があり怜悧で美しいの。彼らの精神の透徹が見えるようで、とても心地よく届くのと、頭の中を清涼にしていってくれるような気がした。

 個人的には冒頭のバッハとラストのブリテンがど真ん中でした。ほんっとに素晴らしかった。正直、バッハがこんなに「来る」とは思いませんでしたが、最高でした。2人が2人とも、近現代曲の演奏が凄いのはよく知っている。(聴けば感動! 阪田 with N響のショスタコーヴィチの1番とかすごかった!)しかしバッハ! 音が耳に残るほど印象的でしたね。
 バッハの軽やかで美しいメロディとハーモニー。ピアノで弾いているとは思えないような、モダン・チェロで弾いているとは思えないような見事な造形。すいっと胸に落ちてくるようで、いやぁ好きだなぁ。

 2曲目、ヒンデミットの無伴奏。ヒンデミットもいいよね、ヴィオラでもチェロでも。いやぁぐいぐい来る。上野くんの現在がほの見えるような音色の多彩さとか、音程や技術の確かさとか。伸びやかな音のアプローチ……これが一番かな。
 ……ちなみに前半の3曲はすべて、彼がコンクールで演奏した曲。研ぎ澄まされた到達感、みたいなのが迫ってきてとても良かった。

 さてリストなら阪田選曲だなと思っていたら、やはりそうだった「悲しみのゴンドラ」。一転して静かで深く。なんか闇の中に浮かぶ水盤に水滴が落ちていくような、でもやっぱりリストだなというような。

 そしてシューベルトは、……ヴァイオリン曲だよね、何度も聴いてるはずですが妙に新鮮。でもねーシューベルトって難しいんですよね。音がシンプルなだけに。この2人は若々しく、しかも熟練の味を持って弾き切ってくれましたけど、案外にこれが一番難物だったんじゃないかな。

 休憩挟んで次は武満。この「オリオン」、本当に星座の声のような音楽で。タケミツも好きだ〜〜! ピアニストが曲の途中で突然立ち上がるのでなんだ?と思ったらピアノの弦をツメ(?)ではじく。武満の音楽は「間/行間」がとても大切だと思うのですが、これが2人ともスバラシ! いい音楽でしたね。

 そしてそして。ワタクシはブリテンが好きです! この間の某上野の音楽祭でのブリテン(ノアの洪水)が聴けなくて超悔しい思いをした。数年前、ザルツブルクまでBPOの《ピーター・グライムス》聴きに/観に行ったのはシアワセだったなぁ。ついでにウィーンまで足を伸ばして、やはり同じオペラを違う演出/指揮者/オーケストラ=WPOで観て聴いた。
 さてチェロには(弦楽器には。歌にも。)ブリテンの良い曲がたくさんあり、チェロソナタは3曲。この第2番はあまり演奏されないらしい。ところが上野くんは卒業演奏にこの曲を演奏し、賞を獲っているのだそうな。お得意だと思います。もう満喫、素晴らしかった。良いですよね。

 万雷の拍手。鳴りやまず。アンコールはやるよなぁ、と思ったら、2人ともマイクを持って登場。阪田くんがインタビュアー。彼は自分の演奏会でも曲の由来とか作曲家のこととか、プログラミングのコンセプトとか、結構解説するけど、話の持って生き方とか上手いね。さすが! だいたいクラシック音楽の演奏家ってMCが下手すぎ(だらだら長かったり身内ネタになったり、緩急なかったり)だけど、阪田くんは評価してる(多少は長いけど)。新倉瞳ちゃん(チェリスト)もなかなか上手ですけどね、そのへんはポップスの人たちを見倣ってほしいといつもは思っているけど。で、阪田くんのは楽しいぞ。

 アンコールはブリテンの師匠のブリッジ。この「春の歌」は、この日のアンコールにふさわしい美しい曲でした。
 本当に、堪能しすぎて帰りの東海道線(がら空きだった)では、ほけぇとしたまま。折から振り出した雨がしとしと窓外を走って、いつの間にか地元駅にたどり着いたような気がします。
 また演ってほしいなぁと思うけど。この曲目であれだけの満員の聴衆って、やはり2人の魅力なんでしょうね。ブラボー。
posted by rain2009 at 00:17| Comment(0) | concert | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年04月02日

2022年4月。新年度

 前の書き込みが2021年10月? ほんと? と吾ながらびっくり。
 その後忙しかったのです。それで11月が忙しくてホッとしたと思ったら12月はもっと大変なことになって、校了したと思ったら大事な方が亡くなって追悼本を出すてなことになり年末年始もぶっ飛んで、それで出したはいいけど2月3月で体調崩し(というより「壊し」レベル)て健康診断で大変な数字が出て、5月後半から会社は休職。ほぼ無職な状況が続いた・・・のが昨年後半でした。

 ブログ書いてなかったのか?
 その間、SNSで・・・てかFBで「クラシックを聴こう!」というグループに参加するようになり、そこでけっこうコンサートの感想など書いていました。うーん、記録、どっかに取ってあったはずなんですが。そのうちコピーしましょう。

 ということで、このアーティクルはご挨拶だけね。
 広告が出てきてますが、別にアフィリエイトしてるわけではなく、無料ブログなので記事アップしないと出てきちゃうのね。

 別アーティクルからぼりぼり復活しようと思います。

     ・・・
 別の話。
 この3月31日で、同級生'sの半数はリタイヤしました(らしいです。周りにおらんからわかんないや)。音楽業界や物書き業界に定年はないのですが、かかわりのある事務所やホールや……付き合いのあるほとんどは「企業」なので、定年になったり異動になったりしてしまいます。ただ、幸いにも私よりずっと若い人々と付き合ってるので、まぁ数年は大丈夫かな。

 ということで、2022年もどうぞよろしくお願いします。

@管理人
posted by rain2009 at 22:55| Comment(0) | diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする