2017年01月05日

2017年、新年おめでとうございます。

 弦楽器雑誌「サラサーテ」、月刊「航空情報」ともに、本日1月5日(木)からのスタートです。
 新年のご挨拶のあと、仕事の合間を縫って、豊川稲荷へ。毎年恒例ですが、実は会社から徒歩10分(もかからないかな?)。商売と芸能のカミサマなので、行かない手はないでしょう、、、ということで創業の前社長の頃から通っているようです。

↓初詣で賑わう神社
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↑山門側から入ります

↓お手水で浄めます(。写った人のお顔をブラシで消したのでちょとわかりにくいかな?)
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↑参拝

 ワタクシは(宗教上の理由から)参拝はしませんので参加だけですが、皆で参拝したりお金を洗ったりし、なかなか賑わいを見せている境内の空気を浴びてきました。知人にも会ったなー。
 お昼時であまりにお腹が空いたので、たこ焼きを食す。

↓いつ見ても素敵なお顔のお稲荷様。お堂の入り口両側を護っています
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 今年もどうぞよろしくお願いします。
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2016年12月25日

演奏会を聴く。

 演奏会を聴く、、、のが仕事みたいなもん。
 感想文(レポート)は書きますが、評論はデキマセン。でもまぁレポートのことを「演奏会評」とか言っちゃうヒトもいて、評論家のセンセイ方にしたら頭に来ることだろうなぁ。。
 しかし、聴いては書き、書いては聴き、、、をしているうちに、どうしても“音楽評”ぽくなってきてしまうのだね。事実を書こうにも、「事実=音楽」であって、それを説明≠キることは非常にナンセンスだし、また音楽/言葉/視覚情報 等、翻訳したり置き換えできないものこそが芸術だと思うから。

 聴くのは、「今この人聴いておいた方がいいなぁ」と「聴きたいなぁ」が両方。“聴いておいた方がいい”のは、長年の勘のようなもので、この先、オツキアイが発生する可能性が高いから。いやまぁ仕事柄、付き合いたければ自分で申し込めばいいだけなんだけど(って何か違う話してるみたいね? 笑)。

 アマチュアの演奏活動もしてるので、友人たちの出ているオーケストラを聴きにいくことも、(めったにないが)時々、ある。
 “めったにない”理由は、他の演奏会と重なっていたり自分の練習と重なっていることがあまりにも多いから、ですね。
 もちろん、プロの演奏会は、仕事ではソロや室内楽が多いし、たまにオーケストラ、ごくまれにオペラもあるけれども、オーケストラは定期会員をいくつか持ってるし、なるべく聴きに行くようにしている。
 それは、曲の生演奏体験が必要なことと、演奏している人たちを聴きに行くこと(指揮者だけじゃなく)、そして「そこにネタが落ちているから」という、とてもマスコミ人な発言をしてみる。

 だけど、演奏会に行けば、虚心に耳を傾けるようにしている。だから素直に感動したり怒ったりするし、笑ったり泣いたり傷ついたり幸せになったりもするです。お誘いしてくださる方々は真剣だし、だからこっちも真剣だし。・・・ただ体調悪い時は聴く≠フは結構、ツラいので勘弁してくださいはい。

 アマチュアとプロ。
 演奏の技量、という意味では比べるべくもない。アマチュアの音が最初に出た時に、その波動に慣れるまではしばらくかかる(耳が最初、拒否反応を示すので)。だけど、しばらくすると、やっぱり心地良くなって、その音律の中で、楽しく聴いている。
 どうやら、プロの演奏はマイナス算。アマチュアの演奏はプラス算で聴いてるぽい。
 もちろん減点評価とか絶対しません、プロの方のも。でも、「いいですねー素敵ですねー」とばかりは絶対に思ってないから。「どっかバッサリ」切り捨てることはある。頭の中で分析しちゃうんですね。でも、本当に凄い演奏に出会うと、そりゃもう何も考えられないさ、という具合で。私はこの沸点が低いので、わりとほとんどの人が「凄い」ことになっていると思う(笑)。

 自分もアマチュア者で、自分が弾く時は、“聴く耳”は、「どっか余所へ」行っていてもらわないと、弾くとかできないし。だから“棚に上がる”ことにしてまして。練習しててもツラいでしょ、じゃないと。だからといって音程が良くないとか、リズムが合ってないとか、波に乗れてないとか。。そういうのもわかるので、時々イヤんなるけど(私のレベルでは出来っこないので)。でもそれでは私があまりにカワイソウなので、少しずつ出来るようになっていることについては、素直に喜ぶことにしている。「あの頃に比べれば、だいぶ上手くなったじゃん」とかいう具合。いつもごめーわくかけてすみませんね>同じオーケストラな方々。

 だけど練習中に、他のパートのフレーズ聴いてゾクゾクしたり、管楽器の旋律に涙出そうになったり、というのは中で弾いてるからこその体験。それがまた他の団体の演奏会聴いていても頻繁に起こる。
 要するにそこの人たちが「何を目指して、何をやりたいのか」・・・それが何となく伝わってくる演奏というのがあって、そこに皆の必死さが現れていたりするわけですね。音楽って不思議ですな。

 私は1音に真剣で、人生を賭けているプロの人たちの音が好きです。
 一方で、生活の一部として音楽を愛しているアマチュアの人たちにも助けられている。
 いいアマチュアでありたいなーと思いつつ、ある意味のプロでなきゃなんないというのは、なかなか立ち位置は複雑に見えるけど、さほど難しいことではないんですねこれが。
 たぶん来年くらいまでは、そんなこと続けていると思うから。また1年、良い年が暮れようとしています。

 さて、今日までに上げないとお莫迦だな、と思うXmas Tree。
 今年はお隣の老舗真珠店が改装中で寂しいので、銀座山野さん、がんばってます。色が変わるツリーで、観光客の皆さま、立ち止まって撮影にいそしむの図、がいつも見られました。
 
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2016年12月24日

12月の編集部/11月の記録

 12月の編集部は27日までで年内おしまいです。
 お隣の「航空情報」誌とは進行が違うので、業務・サラサーテ・航空情報と、ズレズレな日程になってしまいました。かなり変則的ですが、弊誌は年末年始はお休みします。・・でもどうせ、各人、ジルベスター行ったりニューイヤー行ったりしてますから、東京にいればなんだかんだと演奏会場で会うでしょう。
 ちなみに、編集部は編集長以外全員が”関東人”なのです。そういう職場にいたことがないので、なかなか劣勢でいぢめられています(笑)。それに、「帰省」しなきゃいけないフルサトが遠いのも、私ともう一人、秋田のムスメだけです。地元というか、少し離れた都下というか。近くていいすよね。
 ということで、なんかコンサートとかにはやたらと行くのでした。
 12月20日に校了し、雑誌が刷り上がってくるのを待っているタイミングです。週明けは発送作業。店頭には29日、定期購読や取材先など皆様のお手元には28か29日にはお届けできると思います。

 先月も書かなかったなー、というので振り返ってみましょう。
 書きたいことやお伝えしたいことが「山」とあった11月でしたが、毎日、帰ると疲れてコト、と「落ち」てしまい、次の日になるとまた上書きされている、、、というのが続きました。
 素晴らしい演奏会も多かったし。
 「ことし一番だっ!」というものもありました。・・・しかしもう、「何を聴いたか」すら順を辿らないと思い出せません。

⚫︎11月4日(金)〜6日(日) 科学技術館:終日
  例年より遅い弦楽器フェアです。ブースを出し、新刊の販売とか、会場内の取材とか、ご無沙汰している方へのご挨拶とか。取材の仕込みもしちゃった(笑)今回、「弓」だったもので。
  演奏は、牧野葵美さん(ヴィオラ)と、川畠成道さん(ヴァイオリン)を聴きました。お二人とも、楽器や作り手さんへの愛情たっぷりにそれを生かした演奏をされ、さらに演奏会としても完成度が高く素晴らしかったです。
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(↑サラサーテブースへ訪ねてらした牧野葵美さん)→記事詳細は Vol.74へ

⚫︎11月9日(水)白寿ホール チェロ・コレクション
  長谷川陽子さん&向山佳絵子さんによるチェロの醍醐味を味わうコンサート。今年はオンドマルトノの原田節(たかし)さんがゲストで、新作初演もあり。原田さん、相変わらず音楽も人も素敵です♪

⚫︎11月13日(日)六本木CLIPS The Rain Dog & Catsのライヴ
  この前後の週は、実はライヴが続いて楽しかったのですが、インストライヴもたまにはいいなー。
  74号にも登場している仙台フィル・コンサートマスターの西本幸弘くんと学生時代からのコントラバス、ピアノの3人による演奏。いやレベル高いっす。Cbの高杉健人さんは、以前「ブラック・バス・クインテット」を「低音ジャーナル」で取材したことありでした。皆、いろんな活動してらっしゃるね。
(↓お3方を激写、パチリ。しっかりファンも付いておられて、楽しい会でした♪)
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⭐︎11月14日から16日は、韓国へ行ったので、十分間に合う時間だったにもかかわらず16日と17日のステージはキャンセル。お金もったいなかったなー(;_;)

⚫︎11月18日(金)東京文化(小) 井上鑑(あきら)さんの回
  頼豊門下生6人のチェロとピアノや歌による鑑さんの曲の演奏。なかなか面白く素晴らしかった。
  ちなみに、苅田先生や古川展生さん、長谷川陽子さんらが出ておられました。

⚫︎11月22日(火)紀尾井ホール 三浦文彰ヴァイオリンリサイタル(ピアノ:田村響)
  う〜ん、、お客さんの層が、普通のコンサートとだいぶん違うような・・・幅広くていいすね。
 皆さんとおなじように初演の「真田丸組曲」が目当てでしたが、良かった〜。
 もちろん古典派の曲はさらに洗練されてすばらしくて、いいですねーこう真っ当に真っ直ぐな演奏。
 あとで楽屋にうかがったら、「弾きすぎ〜」って手をぶらぶらさせてましたが、確かに後半、超絶技巧を聴かせる曲が多くて、たいへんだよ。でも彼はとても合理的な演奏法を身に付けてるから傷めるとかはないと思うけれど、もう少し緩急あってもよかったかなとは思ったりもする。

⚫︎11月23日(水祝)サントリー シュターツカペレ・ドレスデン
 良かったよ〜〜。特にシンフォニーは抜群。別の日だけどレポートが記事に出るので(書いたのは別の編集部員だが、感想かぶるところも多いので)、別掲。
⚫︎11月29日(火)東京文化(大) ドイツカンマーフィル+樫本大進
 絶品の一言で、シューマンすごい! ヴァイオリンコンチェルトもなんというか、、、ここまで進化するのだという世界を作り出してくれた。土曜日にブラームス2曲プロを横浜から所沢までわざわざ聴きに行った友人が、「もう4番で出しでバー、と涙!」と絶賛していたから、あぁ所沢も行けばよかった、とか思ったけれども、この演奏会も素晴らしかったです。アンコールの目の輝き方が、やっぱりそれだよね、て感じ。
⚫︎11月30日(水)紀尾井 服部百音ヴァイオリンリサイタル

・・・仕事と体力のせめぎ合いで、行けなかったコンサートも死屍累々(チケット持ってたのにね)。
 読売日本交響楽団定期、日本フィル定期、ミュージカル『マーダーバラッド』、キュッヒルさんのリサイタル、カメラータ・ウィーン、都響定期、今井信子さんリサイタル(順不同)。
 12月はまた面白いのが続いたのですが、入稿とかあってあまり行けてないですが、項を改めて書いてみます。
posted by rain2009 at 10:57| Comment(0) | diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月04日

練習日誌(?):Mozart

 今日、第一生命ホールにプラジャークカルテット+山さき智子 のドヴォルジャーク&ブラームス弦5を聴きにいったら、山さきさんに「あら、何持ってるの」と微笑まれた。「日曜日ですから」と答えるけど、ワタクシは「ウィークエンドプレーヤー」でございます。

 2月4日に本番があり、今年は中野ZEROホールの改修の煽りを受けて、どこも会場に苦労している。去年だっけ? は森下文化センターでしたね。プロオーケストラの皆さんも、東京文化、サントリーと続いて大変ですが、、、あぁそうかN響さんは終わったけど、読響さんはまだ練習場が。。。でした。
 まぁアマチュアは常に練習場に関しては、流浪の民なので、今回は前半がわりとラッキー、後半がトホホなワタクシです。(なにせ、朝早いので、遠いと遅刻しがちである<あかんやろ)

 ということで、今回は、モーツァルトの交響曲第39・40・41番、という、アマチュアではほとんど誰もやらんやろ、というようなプログラムです。だいたい、管楽器の編成考えたらふつーはできませんが、うちは大丈夫。
 それに、どの曲も実は一度はやってるんですね。ただ、乗ったり降りたりしているワタクシは、第40番だけ、ここんちでは演奏したことがござんせん。そして第41番《ジュピター》に至っては、ロクに弾けてなかったと思われる。。。のですな、今となっては。
 実は《ジュピター》は、大人になってから弦楽器を始めたにしては、本番の回数が多い。今度やるとたぶん4回目か5回目になります。もちろん最初は弾けるわけないわけで、どうしていたのか、ほとんど記憶にない。ただ、ここに来て弾いた時は、やっぱり第1・第4楽章は悲惨だったような記憶がある。

 だけど。
 大人になってからも弦楽器てほんとに上手くなるんですねー。
 同じ曲を演奏するとよくわかるのですが、なんというのですか、いろいろ「ハマって」くるんです。音程とか(当たり前と言わないでください、これ、けっこう凄いことなんです)、フレーズの作り方とか、お隣さんとの合わせ方とか、ダブルの鳴らし方とか。
 で、必死で通り過ぎていた箇所、というのが最近、少しずつ減ってきています。すべての曲のすべての部分をクリアな意識で見通せているか、というと、残念ながら、ごまかしたり行き過ぎても大丈夫、なのがTuttiの良し悪しでもあったりします。ピアノだとそうはいかない。意識が抜けた途端に、止まっちゃいますからね。

 そんなわけで、明らかに"見えて"いる部分が増えている。
 そして指の回し方とか余裕が出てみたり、他のパートがよりクリアに聞こえてきたりするわけです。はぁ。
 そうすると、アンサンブルそのものがとても嬉しい感じですね。・・・もちろん私は、子どもの頃からやっていた人々に比べると、音程は非常に良くないし、一つのフレーズの中でいい音が出る瞬間もあればそうでない瞬間もある、という差があるし、弾けないところは弾けないし。普通のヴァイオリン弾く人のレベルか、というと、そんなレベルではござんせん。
 でも、明らかに「見える景色が変わって」くるというのは快感ですよ。オーケストラがより楽しくなるし。

 それに以前とは明らかに、ここ数年で変わったこと。
 練習に行くと肩こりが治るとか。指の調子が良くなるとか。。。そういうことはあります。もちろん仕事で激疲れているとか、体調が悪いときはそれが逆に作用するわけだけど。
 無理しない姿勢? 自分の自然体なボウイングとか演奏姿勢が少しずつわかってきたような気もするし。もちろんまだまだとも思いますが、ピラティスやったり歌のレッスンにちょこちょこ行ったり、踊ったり芝居してみたりしたことと無関係ではないと思うんですよ。全身を無理なく緩やかに動かすことや、バランスを採ることの大切さは著者の先生方が常に書いていらっしゃることですし、ウチから何冊も本も出ている。形は違うけど、実感だわー。

 ただし。
 レッスンにはしばらく行ってないんです。だから今度行ったら、ボウイングと音階は直されるんだろうなー(^_^;) でも時々はそうやってみていただかないと気持ち悪いんですけどねぇ。最近、目だけじゃなくて耳にも自信がなくなってきて、時々、「あれ? この音程、正しいのかな?」と思うことが頻繁。以前は、できやしないんだけど、ダメなことと正しい音程だけはわかっていたんですけどねぇ。これは明らかに「トシ」ってやつです。しくしく。

 中身の話がなくてすみません。
 ということで、ジュピターは、ここから始まります。1回やったとこは意外に皆、把握していて、その上に音楽を積もうという算段。ひえぇぇ、とりあえず弾けないとこ解決しとかなきゃーだわね。
 来週は、楽しみな楽しみな40番が弾けます(^_^)。嬉しいよー。(って練習に行けるかどうかが大問題)

posted by rain2009 at 21:05| Comment(0) | play | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月03日

最近、東京藝大にご縁がある。>話題の本

 近頃、身内のFacebookで音楽関係者に話題なのが、「最後の秘境 東京藝大--天才たちのカオスな日常」という二宮敦人さん著の本。タイトルとブックデザインがあまりに面白そうだったので、つい、すぐAmazonからポチしてしまい、11/3に届くとあったので朝から何度も郵便受けを見に行ってしまった。
 新書や文庫でない本を買うのは(場所をとるので)珍しく、読みたいと熱望した本も珍しい。まぁこれがソフトカバーでなくてハードカバーだったら買うのは躊躇したかもしれないけど(<本屋のこだわり・笑)。

 案の定、手にした本は、(S社の本には珍しく)読みやすくて、一気読みしてしまった。2時間かかってないんじゃないか? 夜、帰ってから読もうと思っていたのだが、たまたま寝込んで家にいたので、ご飯に起きた際に一気に読んでしまったというわけ。
 ちなみに、お値段は税込みで1,512円だが、Amazonポイントが1600円くらいあったので、珍しくタダよ。わーい。なんかお得感が漂う。

 それで、身内で盛り上がっていたのも、普通の人には“憧れ”だったり“不可思議なもの”だったりする藝大だが、我々にとっては、さほど遠い存在ではない、ということだ。
 たまたま今号の本誌が、藝大小特集のような内容(新学長・澤先生が表紙だったりArtist Close-upだったり、早期プロジェクトの取材をしたり、でここんとこやたら通称“上野の森”へ通っているためもある。おまけにそこの卒業生とはわんさと付き合いがあるし、現役の先生たちやらもよく知ってるし、音校はもちろん、美校の卒業生だって知り合い(主にデザイナー方面ね)に、少なからずいる。そこから聞いたエピソードやら、実際に美校をこのあいだ歩いて、ぜ〜んぶ(今の)学校を見学してきたとこだったりもする。藝祭もあったもんね。

 という程度には世間様とは認識はずれているのだろうきっと。
 かの『のだめカンタービレ』が流行したときも、音大生や音楽関係者の反応は、世間様とはだいぶ違っていた。だからといって面白がらないわけではなく、独特の捉え方をしている・・・知り合い弄ってて面白いな的な。あとは「そうかぁこういうところが面白いと思うのか」という感想を持つというか。
 これは、以前の編集部で「音大特集をしよう」と何度か話し合ったり実際に行ったりした時に、音大関係者とそれ以外関係者との(同じ編集部員の)温度差にもつながっています。あるベテランアマチュアの、「音大って憧れがあるじゃないですか」発言には本気でびっくりして、「お、音大って”憧れる”とこなんすか?(あなたは、そんないい大学行ってたのに???)」・・・いやもちろん、音楽を将来やっていこうと考える少年少女が、殿堂だったり一流だったりブランドだったりする名のある音大や芸大に憧れるのはわかりますよもちろん。自分だって覚えがあるし、田舎の高校生にすぎなかった自分としては、「あぁ一日中、音楽しててよくて専門教育も受けられるガッコがある、しかも大学! で、すごく有名な先生'sにも直接習えちゃったりするんだ!」ていう方面の憧れは確かにありましたが。。。一般の、趣味で音楽をやれちゃってしまう人々が、音大に憧れる、なんていうのは、私にとっては、目からウロコというか、逆にびっくりな事実だったんですね。

 確かになー、男子にとっては、おじょーさま(除:自分たちのような貧乏庶民学生)できれーでピアノなどの楽器が上手くて、、な人は確かに憧れなのかもしれないね、うん。とか納得したりもしましたが。。。

・ ・ ・

 ということで、さっそく一気読み。
 最初は、面白くて。。。さすが小説家の筆致! 読ませるねぇ。というか、いちいち作者の驚き(妻が現役芸大=美校生)が新鮮。なるほど、驚くのはそこかー! という感じです。
 でもさすがに読み進めると、美校、半端ない! もちろん、話では知ってましたし、上野動物園のエピソードは知人からもリアルに聞いてたし(ペンギンを凍らせた話じゃなくて、動物園に柵越えて乗り込んでデッサンしてた話とか、「ホモ・サピエンス」の看板を作った話とかだけど)、実際の美校キャンパス内は、そのまんま森の中に工場が建ってる感じの校舎だし、、、でも、すごいな実際。
 音校の方は、出てきた人がまた極端に一部な気もしますが、まぁほとんどが「あるある」の範囲で、さほど以外でもなかったけど、新学科二つは相当に”先端”だということもわかったし、、、そりゃ一般社会に適応していく人々から見れば、奇人変人なんでしょうねぇ。

 ということで、「これでもか!」と提出される極端な例に、ちょと中だるみはする。なぜなら、ドキュメンタリーは初めてという著者は、手法を会議室や喫茶店でのインタビューをメインにしているらしいから。その人たちの活動の場でライヴや住んでるところや、先生方のところへも訪ねているのだけれど、そっちをもっと書き込んでもらうと面白かったかも。でもきっと、読む人(この場合、書く人も)は、聞く話の方が面白かったんでしょうね。

 じっくり取材した、しかも最近。つい先日、芸大の学長は38年ぶりに音楽学部に明け渡され、名物学長だった方は、さらに上に行ってしまわれた。いや文中にも出てくるけれど、この学長さんもすごいひとだったらしい。あとを受け継いで、がんばれ! S先生‼︎
 そして迎える藝大祭。最後の章のまとめに向かう中、音楽学部と美術学部の連携が語られる。

 ここは個人的に、涙するところですね。
 私立の「音楽大学=college」という単科大学へ進学した自分は、本当は総合大学である芸大に行きたかった(東京藝大じゃないけどね)。芸術とは、すべからくすべてがリンクしているもので、音楽だけ、美術だけ知っていても成立しない、と思うから。うちの当時の学長が力説していたけど、「本当に芸術を振興しようと思ったら、東京大学や京都大学に音楽学部や芸術学部を作るべきだ」だった。確かに設備も必要だし特殊だし、一般大学よりはるかにお金がかかるから、総合大学に作るのはかなり大変だけど、、、だからこそ官費でとも思う。
 ギリシャ時代、芸術が生れた時、それは数学や哲学と同位でともに学ばれた学問だったはずだ。現に、音楽も美術も、幾何や天文や語学や物理や、多くの学問と切っても切れない関係にある。
 そして、違う感性を持つ天才同士は、出会えば新たなインスピレーションを得るだろう。芸大が最近取り入れたというミスコンのビデオを見たことがあるが、なかなか面白いアイデアだ。企画し作り演じるが一体となったもので、これは芸大らしいといえるんじゃないだろうか。
 異質なものが存在し、それに学生時代に思い切り触れられるのも学問の場だろうな〜。しかも彼らは学生の間から、プロの世界ともシームレスだ。

 私にとっては、芸大・・・というと具体的に多くの人の顔や名前の浮かぶ場である。いろいろな世代の、いろいろなジャンルの。「全国書店で売り上げ1位」という帯のキャッチはすごいなと思うけど。
「入試倍率は東大の3倍」とあったけど??? もっと激しかったんじゃなかったっけ。高校の先輩で、「音楽の勉強するには東京に行かないといけないけど、金銭的にも私立は無理。芸大に入るのは難しいから東大いく」ってがんばってほんとに入っちゃった人が2人いるけど、2人とも今、音楽の世界でそれなりに活躍中だ。

 意外に真面目に読める本です。

 最後の秘境
 東京藝大 天才たちのカオスな日常

 新潮社刊 二宮敦人:著

・・・あ別に、新潮社さんからは何も貰ってません(笑)。
posted by rain2009 at 16:45| Comment(0) | books | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする